今回は、2022年の映画「メタモルフォーゼの縁側」の感想を語っていきたいと思います。
これも公開当時から気になっていた映画でした!
やっと見ることができて満足です。
お断りしておきますが、感想の内容と総合評価はあくまでも私の一意見ですので、参考程度に読んでもらえればと思います。
概要
監督:狩山俊輔 脚本:岡田惠和
原作:鶴谷香央理
主演:芦田愛菜、宮本信子
岡田惠和さんの脚本作品で私が知っていたのは、NHKで昔やっていた朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」「ひよっこ」です。
どちらも本当に好きでした。
今から見る方は、これらのドラマのような平和な世界観を期待して大丈夫です。
主演の2人は、言わずと知れた信頼と実績のある女優さんですね。
あらすじ
老婦人の雪は、たまたま本屋で目にしたBL(ボーイズラブ、男性同士の恋愛を題材にしたジャンル)の漫画を絵が綺麗という理由で購入し、BLにハマっていきます。
実はその本屋でアルバイトをしている女子高生のうららは、BLが好きでした。
2人はBLを通じて知り合い、語り合う仲となっていきます。
2人の関係性がどのように変化していくかが、この映画の大きな見どころです。
作品の魅力
うららが行動的になっていくところを見て応援したくなる!
うららは学校では目立たないタイプの子で、BLや漫画絵を描くのが好きなことは周囲に隠しています。髪型や服装など、芋っぽい姿からもそのキャラクター性が窺えます。
しかし、雪との交流を通して自分のやりたいことをやる決意をします。専用の道具を取り寄せて机にかじりつき、熱心に作業をしていきます。
そんなうららの様子を見ているとこちらもワクワクしてきます。
私も何の専門知識もない状態からこのブログをはじめた今、ワクワク感を抱えながら続けています。
いくつになっても新しいことをはじめるワクワク感は味わうことができますね。
雪がはしゃぐ姿が可愛い!
雪が「あらまぁ…」と言いながらBLを知っていく様子はとても可愛いです。
宮本信子さんの演技も相まって、品の良さも滲み出ています。
うららが家に遊びに来たり電話でいい知らせを聞いたりした時の喜びよう、なんて可愛いおばあちゃんなんでしょう。
そしてマイ・インターンの回でも語ったことなのですが、高齢の方が若い人の文化を受け入れる姿って、柔軟性があって素敵な人だなと思うんですよね。
私も歳をとっても柔軟に新しい考え方や文化を受け入れられるような人になりたいなと思います。
おばあちゃんと女子高生がキャッキャする平和な世界にほっこりする!
私が特に好きな場面は、雪の家の縁側だけが写り、キャッキャする2人の声が響くところです。
世代を超えてこんなに交流を深められることなんてないですよね。
平和な日常の場面が丁寧に描かれており、その雰囲気は「ひよっこ」を彷彿とさせます。(宮本信子さんが同じく出ているのもあるかもしれませんが)
また雪が料理を作る場面も多く出てきますので、料理の匂いも漂ってくるかのような臨場感があります。
エンドロールで流れる曲も可愛くて素敵でした。余韻に浸るにはピッタリな曲でしたので、最後の最後までぜひしっかり見てみてほしいです。
見る前に気になる点:BLの取り扱われ方
BLを扱った作品は内容によっては過激な描写も多いですし、特に腐女子と呼ばれるBLが好きな女の人ってオタクっぽくて自分の世界に閉じこもっているイメージもあります。
そんなBLがこの映画でどのように描かれ、取り上げられるかは見る前に気になるところかと思います。
結論から言うと、BL自体は大きくクローズアップされるわけではありません。
あくまで恋愛の一つの在り方として捉えられており、2人の話は普通の恋愛漫画について話をしているような印象も受けます。
BLを否定はしませんが、私自身はBLにそこまで興味はなく、むしろ世界観がなんとなく苦手でもあります。
ですがこの映画を見て不快に感じるようなところは特にありませんでしたので、その点は安心して見て大丈夫かと思います。
見た後に気になった点:うららと紡(つむぎ)の関係
うららにはあだ名で呼び合うほど親しい仲である、紡という幼馴染の男の子がいます。
紡はうららの嗜好を知りながらも密かに見守り応援する、良い子です。
ただ、うららが劣等感を感じるクラスの中心にいる美人の女の子と付き合っているにもかかわらず、その子の前でうららに親しげに声をかけるなど、何となく配慮不足な印象を受けます。うららは走って逃げ出したり、彼女からは案の定、あの子と仲良いの?と尋ねられる始末です。
うららと紡の間に恋愛感情があるような描写はないのですが、私がうららなら、話しかけるタイミングはもう少し空気を読んで欲しいと思ってしまいます。
付き合っている彼女とうららとの間で人間関係がこじれてしまうのではないかと、見ながらずっと危惧していました。そんな心配は結局いらなかったので良かったです。
私は原作の漫画は未読なのでわからないのですが、原作を読むともう少し人間性がわかってくるのかもしれません。
総合評価:★★★★⭐︎
ほっこりしたい時にのんびりと見たい映画でした。
特に終盤に2人がイベントに行った場面は本当にうらやましくなりました。こんなことあったら良いよなあと。
自分の好きなことを追求し、行動できたおかげでこのような奇跡が起こせたのでしょう。
私もブログ更新、頑張っていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!