ミステリー

映画「真夏の方程式」感想:人物相関図つき!成実や恭平の今後は?

今回は、2013年の映画「真夏の方程式」について感想や考察を語っていきたいと思います。

ガリレオシリーズの映画2作目になります。

お断りしておきますが、感想の内容と総合評価はあくまでも私の一意見ですので、参考程度に読んでもらえればと思います。

ストーリーの核心に関するネタバレはないのですが、一部核心部分に触れた内容もあります。その部分は折りたたんで見れないようにしていますので、まだ見ていない方は読み飛ばしてもらってかまいません。

概要

監督:西谷弘

出演: 福山雅治、吉高由里子、北村一輝、杏、前田吟、風吹ジュン

監督はガリレオのテレビシリーズ、映画を手がけている方です。

主人公の湯川を演じるのは、テレビシリーズと前作の映画「容疑者xの献身」に引き続き福山雅治です。相棒にあたる刑事は今まで柴崎コウが演じていましたが、本作では別の刑事として吉高由里子が担当しています。

あらすじ

物理学者の湯川(ゆかわ)は、海底鉱物資源の開発の討論会に出席するために玻璃ヶ浦(はりがうら)を訪れていました。

宿泊先の旅館にて、親戚が経営している縁があり夏休みに泊まりに来ていた小学生の恭平(きょうへい)と出会い、次第に打ち解けていきます。

ある日、同じ頃に旅館に泊まりに来ていた客の塚原(つかはら)が海辺で変わり果てた姿となって発見されます。

元刑事であった塚原が発見された現場の状況に疑いを持った刑事の草薙と岸谷は捜査に乗り出し、湯川にも協力を依頼します。

この事件の裏には16年前に塚原が手がけた殺人事件、そして旅館を経営する川畑家が関わっていたのでした。

人物相関図

見る前に軽く把握してもらったり、見た後に頭の整理をするのにも使ってもらえればと思います。

真夏の方程式 人物相関図

作品の魅力

数々の場面に夏を感じる!

舞台となる玻璃ヶ浦は海が美しい場所であり、旅館の娘である成実(なるみ)がダイビングをする場面や、湯川と恭平が海で科学の実験をする場面が印象的です。

旅館で食事をする場面や花火をする場面もあり、夏休みに宿泊に来ているような気分を味わえます。

映画が終わるにつれて、夏が終わる寂しさも感じられますね。

湯川と恭平の交流が微笑ましい!

恭平は湯川が学者であると知って、「はかせ」と呼び話しかけてきます。湯川は子供が苦手ではじめは遠ざけるのですが、恭平と話すうちに親しみを感じるようになります。

恭平に科学の楽しさを知ってもらうために、旅館でペットボトルロケットを自作し、海でロケットを飛ばす実験をします。

本作では湯川が子供と接する珍しい場面が見られ、その様子がとても微笑ましいんです。

恭平と同年代の子供は出てこないため、きっと湯川がいなければここまで楽しい経験ができなかったのではないかと思うと素敵だなと思います。

実験データは難しくて子供だけでなく大人でもわからないレベルであり、恭平はおそらく学校には提出できなかったでしょう。それも湯川らしいです。

結局何のデータをとっていたのか、視聴者への説明も特にありませんでした。それも湯川らしい?

切ない真相、その余韻を大切にしてくれる構成がいい!

話の中盤から後半部分ににかけて、過去を振り返って真相が明らかになる場面が丁寧に描かれています。

ミステリーとしても楽しめるのですが、真相部分を時間をかけて明かしてくれるため、ゆっくり余韻に浸ることができました。

原作は未読なのでカットされている場面もあるかもしれないのですが、中だるみすることなく濃密な2時間にまとめられていたと思います。

考察(映画未鑑賞の方は読まないことを推奨します)

核心に触れたネタバレはしていないのですが、真相がわかった上で読むことで内容が理解できるようにしています。

また未鑑賞で読んでしまうと真相が推測できてしまうことが予想されますので、できれば見終わった後に読んでいただくことをおすすめします。

成実について

過去の出来事については、衝動的だったとはいえあまり同情できませんでした。

正当防衛とか、家の中でもみ合ううちに…ならわかるんですけどね。母親に問いただされて自室で叫ぶ過去もありましたが、そんな子が殺意をもって家の外まで追いかけたりするのかな…というところも疑問です。

原作の小説は未読なのですが、その点がスッキリするような記述になっているかどうか気になります。

ただ、年月が経っておりすでに終わった事件であることと、1人の人間が人生を捨てて守ってくれたことを踏まえると、出頭したところでたいした意味はなく、家族は幸せになれないように思います。

秘密の罪を一生背負って生きることになりますが、罪を償うためにできることは、周囲の人々の気持ちを無駄にせず、彼女自身が人や自然に尽くして生きることなのかもしれません。

恭平について

この子は被害者ですよね?

何も知らない幼い子供を犯罪に加担させるなんて、非常に腹立たしいです。

本人は真相を知らないものの、自分がしたことを察しているような様子も見られます。

湯川はそのフォローを成実に託しますが…今フォローせぇよ!って思いました。

人生がねじ曲げられてしまう危険をそのまま放置しているように思えました。

真相を中途半端に察してしまうことで、自分を責めてしまうかもしれません。

私がフォローします。

君は悪くない!君は犯罪に利用された被害者だから!自分を責める必要はない!

君は全うな人生を歩んでくれ!!

真相を知った湯川の行動

これもこの話では賛否両論ではないでしょうか。

人間らしく正しい心を持った人であれば、罪を隠して生きていく方が罰せられるよりもつらいかもしれません。その意味では過去の事件はこれでいいかもしれません。

しかし今回起こった事件に関しては、何の罪もなく正しい心を持った人が殺害されており、子供が犯罪に加担させられています。動機の部分は伏せながら、犯行を自供した方がよかったのではないでしょうか。

ただ警察も中毒死を再現できない様子がみられましたので、今後捜査や裁判が進む上で自供する可能性もあるかもしれません。

ミステリー作品においては、真相にたどり着いた探偵がどのように行動するかは見どころであり作品の持ち味でもあります。

自分が長年ともに働いた仲間すら逮捕する人もいれば、犯人を自らの手で罰するような人もいます(ドラマや小説の話です)。

湯川は学者脳で変わり者、非論理的思考を嫌うような人物ではあるのですが、過去作「容疑者xの献身」からこの作品を見ると、考え方の変化がわかり人間味を感じられました。

総合評価:★★★★★

ガリレオシリーズは映画化がとてもうまくいっている作品のように思います。

今後映画ガリレオシリーズのまとめ記事を作ってみたいです。

内容について考えたくなる点も多々ありましたが、見終わった後は心地良い余韻が残りました。

夏の終わりに見たくなるミステリーでした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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