ミステリー

映画「罪の声」感想:人物相関図つき!望や聡一郎は大人の身勝手の犠牲に…

今回は2020年公開の映画「罪の声」について、感想を語りたいと思います。

この映画は過去に実際に起きた未解決事件「グリコ・森永事件」をモデルとして、一連の事件や報道はそのまま再現するような形で映像化されています。

ただし、この映画では事件を追うに従って犯人と真相にたどり着いていきますので、その部分は創作された内容となっています。

今から見る方は、この記事で簡単なあらすじや人物相関図を見てもらえば話が入ってきやすいかと思います。

すでに見た方も、この記事で内容を振り返り、他の人の感想を参考にされてはいかがでしょうか。

概要

監督:土井裕泰

原作:塩田武士

出演:小栗旬、星野源、松重豊、宇野祥平、古舘寛治

監督の土井さんは、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「カルテット」や映画「いま、会いにゆきます」など多数手がけられている方です。

原作は塩田武士さんの同名小説で、山田風太郎賞など様々な賞を受賞しています。

この映画は、テレビドラマ「花より男子」「リッチマン、プアウーマン」や映画「銀魂」など数々の作品に出演している小栗旬さんと、テレビドラマのコウノドリシリーズや「逃げるは恥だが役に立つ」などに出演するなど俳優としても活躍するミュージシャン星野源さんのダブル主演です。

あらすじ

大日新聞記者である阿久津は、未解決のまま時効を迎えた事件「ギンガ・萬堂事件」の特集を担当することになり、少ない手がかりを辿りながら事件の関係者に取材を行っていきます。

一方、テーラー(服の仕立屋)を家業とする曽根俊也は妻と娘の3人で平和に暮らしていたのですが、あるとき見つけたカセットテープに録音された自分の声が、「ギンガ・萬堂事件」で脅迫として犯人が使用した子供の声と一致することに気づきます。

事件に深入りすることに怯えつつも、関係者に話を聞きテープの謎に迫っていきます。

2人が出会い協力しはじめたことで、事件の全容がどんどん浮き彫りになっていくのでした。

人物相関図

映画「罪の声」の公式サイトにも物語・出演者が載っていますので、合わせて参考にされてください。

罪の声 人物相関図1
 

罪の声 人物相関図2
 

作品の魅力

モデルとなった事件の再現度がすごい!

過去に実際に起きた事件をモデルとしていますが、かなり細部まで再現しています。

そのため、脅迫文や一連の報道など、やけにリアルです。

事件を知っている世代の方々は懐かしい、そうそうこうだったよねと思える内容ではないかと思います。

ちなみに目撃された犯人の似顔絵「きつね顔の男」がやけにリアルだなと思ったのですが、まさかの実際の事件の犯人の似顔絵そのままでした。

事件の真相が徐々に見えてくるさまにグッと引き込まれる!

事件は何十年も前であり、今さら事件を調べたところで手がかりは得られないようにも思います。

しかし主人公2人の熱意により関係者たちが重い口を開いたこと、事件が時効となるなど時間が経ったゆえに事件の中心人物たちが当時の話を聞くことができたことで、事件の解明は大きく進展していきます。

この過程にグッと引き込まれるんです。

ただ、関係者の話を追う形で徐々に事件に関わった人たちが見えてくるようになっており、その内容が盛りだくさんとなっています。

そのため話は聞き逃さないようによくよく聞いて理解しておかないと、話に追いつけなくなってしまうかもしれません。

この映画を見るときにはながら見はせず、じっくりと見ることをおすすめします。

私はAmazon プライムビデオで視聴しながら何回も巻き戻しました。

感想:子供が犠牲になる話はつらい

子供の人生を狂わせた大人の罪は重い

阿久津の「勝手な理屈で人生を奪われるのはいつも、弱く小さな者たちだ。」というモノローグがあります。

これがこの映画で伝えたいことを最も表していると思います。

カセットテープの声は、何も知らない子供が大人に利用されて吹き込まされたものでした。

終盤になぜ子供に吹き込ませたのかを犯人が話すのですが、それを聞いてたったそれだけのことだったのか、本当に身勝手だなと思いました。

先日紹介した映画「ミステリと言う勿れ」でも整くんが話していた「子供は馬鹿じゃない、自分がやってしまったことに一生後悔する」という言葉からもわかりますが、何の罪もない子供が何も知らずに大人に利用されることで一生苦しんでしまうこともあるのです。

犯人は時効となり未だにのうのうと生きています。

声の録音はいつまでも残り、当時は子供だった声の主を一生苦しめます。

そんな内容に、もやもやとしてしまいました。

望ちゃんの存在感

特に望(のぞみ)ちゃんの回想はつらかったです。

子供が夢を絶たれて絶望してあがく姿を見るのはつらすぎます。子供は無力ですからね。

お父さん、なんで全うに警察官の仕事を続けてくれなかったのか…。

この映画で望ちゃんの存在感はとても大きいものがありました。

演じている女優の原菜乃華さんは、アニメ映画「すずめの戸締まり」でオーディションで勝ち取った主人公・岩戸鈴芽役の声優をしており、映画「ミステリと言う勿れ」では整くんに謎解きを依頼した女の子を演じているなど、今かなり急上昇している女優さんといえると思います。

今後の活躍に注目したいです。

 

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みんなの感想は?

高評価な感想:

展開にスピード感があった、見応えがあった、心に刺さった、

実際にこういう真相だったのではと思える説得力があった

低評価な感想:

調査が都合よく進みすぎてできすぎ、途中で事件の全貌がわかてしまった

映画の評価についての意見は人それぞれな印象でした。

めちゃくちゃ面白い!良作!という人もいれば、できすぎている、犯人の過去をもっと深堀りしてほしかったなどの意見もありました。

いずれにしても、若い世代の人はモデルとなった事件を知らないと思いますので、この映画が知るきっかけとなればいいと思います。

総合評価:★★★☆☆

事件による直接的な被害者はいなかったこの事件。

犯人も捕まらず時効となり、人々の記憶からは忘れ去られがちかもしれません。

ですがこの事件で人生を狂わせられた子供が実際にいるかもしれない、二度と繰り返してはならないとのメッセージが強い内容となっています。

見ててつらすぎたのでもう見たくないということで、私の評価は星3つどまりになりました。

しかし事件が解明されていくところからぐいぐい話に引き込まれていきますので、見応えのある良作ミステリーといえるでしょう。

見たことのない方は、ぜひ一度は見てもらえればと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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